独楽吟とは?
幕末福井の歌人・国学者の橘曙覧は清貧に甘んじ、家族との生活の中に喜びや楽しみを見い出し「たのしみは」で始まり「とき」で終わる歌52首を詠みました。そして、現代において歌集「独楽吟」として伝えられています。
1994年訪米された天皇皇后両陛下の歓迎式典でクリントン大統領は独楽吟の一首
たのしみは朝起きいでて昨日(きのふ)まで無(な)かりし花の咲ける見るとき
を引用してスピーチされた事は記憶に残るところです。
介護独楽吟とは?
福井県支部だより2016年7月号「読んでみようこんな本」ので独楽吟が紹介されたことをきっかけとなり、介護生活の中の楽しみや喜びを独楽吟に倣って詠い「介護独楽吟」として支部だよりで紹介してきました。
2017年京都国際会議場で開かれた国際会議の展示コーナー福井県支部ポスターの一節
「介護に苦しみ、悩む日々の中にも喜びや楽しみを見い出し、前向きに生きたい」
という私たちの願いは、独楽吟の世界に通じるものと考えています。
福井県支部は2018年度家族の会全国研究集会を福井県で開催するにあたり、全国各支部の皆さんに介護独楽吟ポスターの作成をお願いし、全国47支部から291首が寄せられました。
介護独楽吟から介護生活の喜びや楽しみだけでなく、表裏一体で介護の苦しみや悩み、やるせなさも伝わり胸が締め付けられる思いがしました。
また、家族の介護をする中、家族の絆が深まっていることも伝わり心温まる思いです。
この「介護独楽吟」が多くの人の心を動かし、認知症に対する理解を深め、社会を変える力につながることを願っています。