家族と共に
母は認知症で要介護5です。
現在、月曜日から土曜日まで週6日間デイサービスに通っています。
父が健康であること、家族が多い事、デイサービスがあること。この条件がなかったら私は仕事を続けられなかったと思います。
母は、目が見えていないのか、見えていても認識していないのか、人やモノと視線を合わせなくなって3年くらいになります。
ですから、目の前に食べるものがあっても自分で食べることが出来ません。
食事、着替え、排泄、洗面。日常生活全てに介助が必要です。手足の筋力も弱くなって、かろうじて家の中だけは手引き歩行をしています。常に不安が強く、何かを訴え続けています。すぐ近くに人がいないと、不安はますます強く、一人にしておくことが出来ません。
日曜日はデイサービスがお休みなので大変です。
父が町内の用事などで 留守をすると、介護は全面的に私の所へやってきます。
尿意を訴え、30分前に連れて行くと、すでに出ている。
「寝る」と言うので横にするとすぐに起き上がってくる。それの繰り返し。イライラが募ります。
ふと「家族による認知症高齢者への虐待」といった言葉が浮かびます。
そんな時は気分転換。介護を中2の息子に変わってもらい、夕食の買い物へ。
一年前は、買い物から帰ってくると、対応に困った息子が泣きべそをかいていることもありました。
今は、ゲーム片手に適当に対応が出来ています。
母の認知症の症状が進み、少しおとなしくなったせいもあります。
妹は母に対して、友達のように接します。
父は時々怒りながらも、また今日も介護しています。
家族でも対応の仕方はそれぞれです。あきれることもあり、感心することもあります。飽きません。
長時間になればイライラしますが、短時間なら優しくできる。
やさしい介護は人を成長させてくれると思います。
短時間のやさしい介護。それが在宅介護の継続、介護と仕事の両立を支えていると思います。
もうひとつ,
私は「認知症の人と家族の会」のお手伝いをさせて頂いています。
地域で定期的につどいを開催するのは、時に気が重いと感じる事もありますが、いつもそれを超える感動があります。
同じ立場の者同士
「あなたの気持ち、本当にわかるよ。私も同じだよ」
と思える瞬間があります。
その時、そんなに心が軽くなることか。介護をしていてしんどいと感じている方がいたら、
あなた一人じゃないよと
言ってあげたい。
私の気持ちも聞いて欲しい。
そのため、また頑張ろうと思うのです。