介護生活No26「介護と仕事の両立8」

家族と共に

母は認知症で要介護5です。

現在、月曜日から土曜日まで週6日間デイサービスに通っています。

父が健康であること、家族が多い事、デイサービスがあること。この条件がなかったら私は仕事を続けられなかったと思います。

母は、目が見えていないのか、見えていても認識していないのか、人やモノと視線を合わせなくなって3年くらいになります。

ですから、目の前に食べるものがあっても自分で食べることが出来ません。

食事、着替え、排泄、洗面。日常生活全てに介助が必要です。手足の筋力も弱くなって、かろうじて家の中だけは手引き歩行をしています。常に不安が強く、何かを訴え続けています。すぐ近くに人がいないと、不安はますます強く、一人にしておくことが出来ません。

日曜日はデイサービスがお休みなので大変です。

父が町内の用事などで 留守をすると、介護は全面的に私の所へやってきます。

尿意を訴え、30分前に連れて行くと、すでに出ている。

「寝る」と言うので横にするとすぐに起き上がってくる。それの繰り返し。イライラが募ります。

ふと「家族による認知症高齢者への虐待」といった言葉が浮かびます。

そんな時は気分転換。介護を中2の息子に変わってもらい、夕食の買い物へ。

一年前は、買い物から帰ってくると、対応に困った息子が泣きべそをかいていることもありました。

今は、ゲーム片手に適当に対応が出来ています。

母の認知症の症状が進み、少しおとなしくなったせいもあります。

妹は母に対して、友達のように接します。

父は時々怒りながらも、また今日も介護しています。

家族でも対応の仕方はそれぞれです。あきれることもあり、感心することもあります。飽きません。

長時間になればイライラしますが、短時間なら優しくできる。

やさしい介護は人を成長させてくれると思います。

短時間のやさしい介護。それが在宅介護の継続、介護と仕事の両立を支えていると思います。

 

もうひとつ,

私は「認知症の人と家族の会」のお手伝いをさせて頂いています。

地域で定期的につどいを開催するのは、時に気が重いと感じる事もありますが、いつもそれを超える感動があります。

同じ立場の者同士

「あなたの気持ち、本当にわかるよ。私も同じだよ」

と思える瞬間があります。

 

その時、そんなに心が軽くなることか。介護をしていてしんどいと感じている方がいたら、

あなた一人じゃないよと

言ってあげたい。

私の気持ちも聞いて欲しい。

そのため、また頑張ろうと思うのです。

「ぽーれぽーれ」通巻365号2010年12月25日発刊より抜粋

 

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